‐Fez,Morocco-
モロッコに行く前、カタールのドーハにて滞在中のこと。
民泊先の家族の人と話をしていたら、「それにしても、ドーハ滞在日程がラッキーだったわね。来週からラマダンが始まるから。」と言われました。
え、もうすぐラマダン??
その時、私たちは初めてラマダンの日程を知ったのでした。
ちなみにラマダンとはイスラム教徒の義務の一つで、日の出から日没までの間飲食を断つこと(断食)。期間は約1か月で、今年は6月6日から7月5日までです。
カタールのあとはスペインへ行ったので、すぐにラマダンとは関係なかったのですが、スペインの後、モロッコへ行く計画を立てており、まさにラマダン期間中にモロッコ滞在となるのです。
モロッコへ予定通り行くか、はたまた進路変更するかかなり悩みました。大人だけならまだしも、食べることが大好きで、お腹がすいたら機嫌が悪くなる娘2人連れなので・・・。
しかし、長い間ずっと行きたい!と思っていた国の一つだったので、何とかなるさという考えで予定通りモロッコ行きを決行。
結果はというと・・・、
・現地の人はやはり日中食べたり飲んだりしていません。夏の時期の断食ということで、暑い中大変そう。街の雰囲気として、日中の活動はペースダウン、夜になると賑やかという感じ。それもそのはず、日没後にその日の初めての食事(朝食)をとり、夜中に2回目、日が明ける前に3回目を食べるそうなので、フェズの宿では夜中0時頃でも外から音楽や人の声が聞こえていました。
・日中、レストランやカフェは開店休業状態(お客さんはイスラム教徒でない観光客だけ)か、閉まっています。外に出かけた時、昼食場所を探すのが結構大変。ま、観光客が多い場所はそれなりに営業中のレストランも見つかりますが・・・。その他の商店も日没前にいったん閉店し、夜遅くにまた営業開始となることが多いです。
・モスクからの日没の合図とともに皆が一斉に食事を始めるので、日没前、街から人影がなくなります。モロッコ滞在初日、これを目にしたときはかなりびっくりしました。まるで、ゴーストタウンのようになります。で、30分くらいするとまた徐々に車や人が戻ってくる感じです。この食事のために、街はしばらくの間機能停止状態。日没前後1~2時間くらいはタクシーを捕まえるのも困難。
・ラマダン中ということで海外からの観光客が少なく、国内移動をする現地の人も少なめなのか、バスのチケットや宿の予約が取りやすかったです。宿は色々なトコロでアップグレードしてもらえました!観光地へ行ってもすいていたかな。
こんな感じで、食糧調達や買い物、外食、移動は多少制限がありますが、可能です。逆にラマダンのことは聞いたことはあっても直に見るのははじめてだったので、異文化を知ることができてよかったかなと思います。
下の写真が、日没直後の様子。(フェズではなく、タンジェの写真なのですが・・・。)
少し前まで歩行者や車などが普通にいたのに、日没後はご覧のとおり、静まり返った街になっています。(19時40分頃)
さて、いちばん上の写真は、宿の近くの丘を登っているところ。白い石造りのイスラム墓地を横目にしながら、登っていくと展望スポットに到着。
ちょうど、日没の合図がモスクから大音量で流れ、丘の上で朝食を始めるモロッコの人たち。”断食後ピクニック”です!
「食べてみる?」と言われましたが、いやいや、断食後の貴重な食事をいただくわけにはいきません。
丘の上にはマリーン朝の墓地の遺跡があります。
そして、下の写真が丘の上から見たフェズの街。滞在していた6月の日中の気温は40度前後と大変暑かったのですが、日が沈むと涼しく、丘の上で涼みながら街を眺めるのもなかなか良いものなのでした。